患者様は昭和2年生まれの女性で、東北地方の県立病院で (平成11年(1999年)8月)胃癌で部分切除を受けました。
術後約3年3ヶ月のCT検査(平成14年(2002年)11月)傍大動脈~腸骨動脈分岐部に4cm大のリンパ節の腫脹を認め(図2-1)、平成15年(2003年)1月に開腹生検を受けました。
その結果、悪性リンパ腫(非ホジキンリンパ腫、angio-Immuno blastic T-cell CSⅡ)と診断されています。
ご家族には予後不良で余命は1年前後の可能性が高いと診断されております。
平成15年2月からTHP-COP(THP-ADM40mg、CPA600mg、VCR1mg、PSL40mg)を2クール受け、
初診時のCTで4cm大のリンパ節腫大が3月には1cm大まで縮小しています。(図2-2)
抗癌剤の治療の副作用が苦しかったので、
平成15年4月から新免疫療法単独で経過を見たいと希望され、当院を受診され、
県立病院でも画像検査を含めて厳重にフォローアップするということで新免疫療法をスタートしました。
平成15年4月の初診時、可溶性IL-2レセプターは469U/ml(基準値530U/ml以下)とすでに正常範囲内に低下しておりました。 その後、一度も異常値を示しておりません。
免疫能力の指標であるIFNγとIL-12は非活性でしたが、2回目(2ヵ月後)のIFNγ(平成15年6月)は26.9IU/mlと活性化し、以後は高い値を示し続けております。 しかし、IL-12は全くの非活性の状態でした。 NKT細胞比率と活性化NKT細胞比率は初診時それぞれ21.2%(10%以上が活性化)、5.4% (4.3%以上が活性化)と高く、NK細胞数は13.8(11%以上が活性化)でしたが、活性化NK細胞比率は非活性でした。 活性化NK細胞比率はその後良好な経過となっています。
一方、NKT細胞に関しては、活性・非活性を繰り返しながら推移しています。 県立病院での画像検査(CT検査)は平成15年8月、12月に施行しておりますが、いずれも異常を認めておりません。 当院のエコー検査も平成15年6月(図2-3)、平成15年11月、平成16年(2004年)3月、平成16年9月、平成16年11月、平成17年(2005年)3月に施行しておりますが、いずれも異常を認めておりません。 平成19年10月(2007年)現在、新免疫療法は減量して継続しています。 そして通常の社会生活が可能になっております。 T細胞型の悪性リンパ腫は稀な疾患で予後が極めて不良の疾患であります。 2クールの抗癌剤(THP-COP)を投与され、4cm大から1cm大まで縮小しました。
この時点で抗癌剤の副作用がきついので中断し新免疫療法単独に切りかえております。 当院での腹部超音検査では治療開始から2ヵ月後に腫瘍の消失したことが確認され、腫瘍マーカーの可溶性IL-2レセプターも正常値でした。 抗癌剤が著効を示し、その後新免疫療法が効果的に消失と維持に働いたものと考えられます。 それ以後の画像(当院の超音波検査及び他院のCT)でも 現在まで(平成20年(2008年)3月)再発は認められておりません。 免疫能力では、Th1サイトカインは殆ど働いておりません。 NK細胞とNK細胞活性が高いことが分かっています。
この患者様は予防としてNK細胞が働いた可能性も示唆されます。
患者様は昭和2年生まれの女性で、東北地方の県立病院で (平成11年(1999年)8月)胃癌で部分切除を受けました。
術後約3年3ヶ月のCT検査(平成14年(2002年)11月)傍大動脈~腸骨動脈分岐部に4cm大のリンパ節の腫脹を認め(図2-1)、平成15年(2003年)1月に開腹生検を受けました。
その結果、悪性リンパ腫(非ホジキンリンパ腫、angio-Immuno blastic T-cell CSⅡ)と診断されています。
ご家族には予後不良で余命は1年前後の可能性が高いと診断されております。
平成15年2月からTHP-COP(THP-ADM40mg、CPA600mg、VCR1mg、PSL40mg)を2クール受け、
初診時のCTで4cm大のリンパ節腫大が3月には1cm大まで縮小しています。(図2-2)
抗癌剤の治療の副作用が苦しかったので、
平成15年4月から新免疫療法単独で経過を見たいと希望され、当院を受診され、
県立病院でも画像検査を含めて厳重にフォローアップするということで新免疫療法をスタートしました。
平成15年4月の初診時、可溶性IL-2レセプターは469U/ml(基準値530U/ml以下)とすでに正常範囲内に低下しておりました。
その後、一度も異常値を示しておりません。
免疫能力の指標であるIFNγとIL-12は非活性でしたが、2回目(2ヵ月後)のIFNγ(平成15年6月)は26.9IU/mlと活性化し、以後は高い値を示し続けております。
しかし、IL-12は全くの非活性の状態でした。
NKT細胞比率と活性化NKT細胞比率は初診時それぞれ21.2%(10%以上が活性化)、5.4% (4.3%以上が活性化)と高く、NK細胞数は13.8(11%以上が活性化)でしたが、活性化NK細胞比率は非活性でした。
活性化NK細胞比率はその後良好な経過となっています。
一方、NKT細胞に関しては、活性・非活性を繰り返しながら推移しています。
県立病院での画像検査(CT検査)は平成15年8月、12月に施行しておりますが、いずれも異常を認めておりません。
当院のエコー検査も平成15年6月(図2-3)、平成15年11月、平成16年(2004年)3月、平成16年9月、平成16年11月、平成17年(2005年)3月に施行しておりますが、いずれも異常を認めておりません。
平成19年10月(2007年)現在、新免疫療法は減量して継続しています。
そして通常の社会生活が可能になっております。
T細胞型の悪性リンパ腫は稀な疾患で予後が極めて不良の疾患であります。
2クールの抗癌剤(THP-COP)を投与され、4cm大から1cm大まで縮小しました。
この時点で抗癌剤の副作用がきついので中断し新免疫療法単独に切りかえております。
当院での腹部超音検査では治療開始から2ヵ月後に腫瘍の消失したことが確認され、腫瘍マーカーの可溶性IL-2レセプターも正常値でした。
抗癌剤が著効を示し、その後新免疫療法が効果的に消失と維持に働いたものと考えられます。
それ以後の画像(当院の超音波検査及び他院のCT)でも 現在まで(平成20年(2008年)3月)再発は認められておりません。
免疫能力では、Th1サイトカインは殆ど働いておりません。
NK細胞とNK細胞活性が高いことが分かっています。
この患者様は予防としてNK細胞が働いた可能性も示唆されます。