一般的に胆管癌はたとえ切除されても再発する可能性が高いと考えられている悪性の腫瘍です。 平成14年1月に新免疫療法(NITC)を希望されて来院した59歳の男性です。 患者様は、丁度1年前の平成13年1月に大学病院の消化器病センターで、膵頭十二指腸切除(全胃幽門輪温存)の大手術を受けました。 病理診断によると、組織型は充実性腺癌で、腫瘍の占拠部位は下部胆管および乳頭部胆管の1部で、腫瘍径は43mm×20mm、StageⅢでした。 その後、再発予防のために、UFT-E 2包/日の経口投与を続けていましたが、
平成13年11月に大学病院のCTで再発が疑われて、このUFTの効果はないと判断され中止しました。 胆管系に有効な抗癌剤は他にないとのことで、このUFT以外は何も使っていませんでした。
平成14年1月に、当院へ来院されました。 初診時の腫瘍マーカーは、CA72-4のみが22 U/ml(基準値4.0 U/ml以下)と異常値を示し、
Th1サイトカイン(IFNγ、IL-12)とNKT細胞系の活性化があったため高い免疫能力が期待されました(図-1)(図-3)。 治療開始後2ヶ月目の3月初旬の腫瘍マーカーは、CA72-4が17 U/ml、STNコウゲンが47 U/ml(基準値45 U/ml以下)といずれも異常値を示しました。 同年3月下旬に入って上記のマーカーは2つとも基準値内に入りました。 開始後9ヶ月目の10月になって、CA72-4値が150 U/ml、STNコウゲンが87 U/mlと異常高値を示したので、パン酵母を1日6粒から9粒に増量しました(図-1)。 同年12月の血液検査では、CA72-4は3 U/ml以下、STNコウゲンは28 U/mlと下がり、いずれも基準値内に入りました(図-1)。 CEAは、11月には5.9 ng/mlまで上昇しましたが、12月には4.7ng/ml(基準値5.0 ng/ml以下)と基準値内に入りました(図-2)。 (CEAは現在に至るまで、最高値を8.6 ng/mlとした異常値を繰り返し示したものの、10 ng/ml以上の異常値を示すことはありませんでした(図-2)。) その後、年4回の超音波と、CT検査と腫瘍マーカーで、経過を追って現在に至っています。 時にCEAとCA72-4が異常値を示すことがあるのみで、腫瘍の再発は一度も認められておりません。 この患者様は、胆管癌の手術から約6年、
新免疫療法(NITC)を開始してから約5年が過ぎて、
大学病院からは完治の可能性があるので年に4回の来院でよいといわれました。 その後、平成19年3月に患者様の経済的な理由で治療を中断することになりました。
患者様の経過が順調であれば良いと考えています。
一般的に胆管癌はたとえ切除されても再発する可能性が高いと考えられている悪性の腫瘍です。
平成14年1月に新免疫療法(NITC)を希望されて来院した59歳の男性です。
患者様は、丁度1年前の平成13年1月に大学病院の消化器病センターで、膵頭十二指腸切除(全胃幽門輪温存)の大手術を受けました。
病理診断によると、組織型は充実性腺癌で、腫瘍の占拠部位は下部胆管および乳頭部胆管の1部で、腫瘍径は43mm×20mm、StageⅢでした。
その後、再発予防のために、UFT-E 2包/日の経口投与を続けていましたが、
平成13年11月に大学病院のCTで再発が疑われて、このUFTの効果はないと判断され中止しました。
胆管系に有効な抗癌剤は他にないとのことで、このUFT以外は何も使っていませんでした。
平成14年1月に、当院へ来院されました。
初診時の腫瘍マーカーは、CA72-4のみが22 U/ml(基準値4.0 U/ml以下)と異常値を示し、
Th1サイトカイン(IFNγ、IL-12)とNKT細胞系の活性化があったため高い免疫能力が期待されました(図-1)(図-3)。
治療開始後2ヶ月目の3月初旬の腫瘍マーカーは、CA72-4が17 U/ml、STNコウゲンが47 U/ml(基準値45 U/ml以下)といずれも異常値を示しました。
同年3月下旬に入って上記のマーカーは2つとも基準値内に入りました。
開始後9ヶ月目の10月になって、CA72-4値が150 U/ml、STNコウゲンが87 U/mlと異常高値を示したので、パン酵母を1日6粒から9粒に増量しました(図-1)。
同年12月の血液検査では、CA72-4は3 U/ml以下、STNコウゲンは28 U/mlと下がり、いずれも基準値内に入りました(図-1)。
CEAは、11月には5.9 ng/mlまで上昇しましたが、12月には4.7ng/ml(基準値5.0 ng/ml以下)と基準値内に入りました(図-2)。
(CEAは現在に至るまで、最高値を8.6 ng/mlとした異常値を繰り返し示したものの、10 ng/ml以上の異常値を示すことはありませんでした(図-2)。)
その後、年4回の超音波と、CT検査と腫瘍マーカーで、経過を追って現在に至っています。
時にCEAとCA72-4が異常値を示すことがあるのみで、腫瘍の再発は一度も認められておりません。
この患者様は、胆管癌の手術から約6年、
新免疫療法(NITC)を開始してから約5年が過ぎて、
大学病院からは完治の可能性があるので年に4回の来院でよいといわれました。
その後、平成19年3月に患者様の経済的な理由で治療を中断することになりました。
患者様の経過が順調であれば良いと考えています。