【症例報告】 新免疫療法によるがん免疫療法

胃癌 心筋梗塞と脳梗塞のため手術不適、当院治療4年3ヶ月経過

低用量抗癌剤併用

平成15年1月に、総合病院で、噴門部直下のⅡc進行型の胃癌(中分化型管状腺癌)と診断された73歳の男性です。

この患者様は、平成2年9月に心筋梗塞、平成14年2月には脳梗塞を患っており、

これに高齢ということが加わり、手術も副作用の強い抗癌剤も受けられないと総合病院で主治医よりいわれ手術を断念し、

平成15年4月初めに来院されました。

この時に出血や痛みをともなう通過障害はありませんでした。

胃カメラは3ヶ月毎に施行されていて、新免疫療法(NITC)を開始しました。

初診時に測定した腫瘍マーカーは、CEAを初めとし胃癌関連15項目で、いずれも正常範囲内でした。

免疫能力は、NK細胞とNKT細胞の数は足りているものの活性は不十分で、

Th1サイトカインのIFNγとIL-12は充分すぎる程の活性がありました。

開始後8ヶ月目の胃カメラ検査で、腫瘍(胃癌)が少し大きくなっていることが分かり、

抗癌剤のTS-1を始めたいとの事で、100mg/日を2週間連日投与し2週間休むという方法(通常の方法は4週間連日投与し2週間休薬)で併用が始まりました。

この間にTh1サイトカインは抑制されることもなく、副作用もほとんどありませんでした。


しかし、平成16年11月に、腫瘍マーカーのCEAが9.0 ng/ml(基準値5.0 ng/ml以下)まで上昇したので、TS-1は効果がないと結論づけました。

この頃に、タキソールという抗癌剤を低用量で使うと胃癌に有効である可能性があるので、

タキソール60mg/bodyを週1回の投与で3週間連続投与し1週休む(通常の用法用量は、210/㎡で週1回投与し3週間休む)という方法を主治医に頼んでスタートしました。

平成17年6月にはCEAが6.6ng/mlと低下をしたので、タキソール60mg/bodyを隔週投与に減量しました。

するとCEAが再び上昇したためにタキソール60mg/bodyを2週間連続投与し、1週休む、に増量しました。

その結果CEAが平成18年6月には5.0ng/mlまで低下しました。


そして平成19年2月~6月にかけてCEAが7.1ng/ml⇒10.7ng/ml⇒11.9ng/ml⇒17.2ng/mlと上昇したため、タキソールからタキソテール40mg/Bodyに変更することを検討しています。

患者様はTh1サイトカインの活性を維持しながら脱毛や消化器症状そして血球成分の低下もなく、大好きな渓流釣りを現在も楽しんでいます。

胃癌 症例 内視鏡の比較
胃癌 症例 免疫検査の推移と腫瘍マーカーの推移
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