【症例報告】 新免疫療法による がん免疫療法

明細胞腫瘍 術後 再発予防 当院治療3年10ヶ月経過

新免疫療法単独

患者様は 昭和22年生まれの女性で、平成15年(2003年)9月に腹部に痛みがあり総合病院を受診されました。

MRI検査にて卵巣に10cm大の、のう庖性腫瘍が写り、腫瘍マーカーCa125が234U/mlと高値を示したことから、

癌の疑いがあると診断され、国立病院を紹介され入院することになりました。

平成15年の10月に卵巣癌の診断で、広汎子宮全摘及び大網の転移巣の切除が施行されました。

摘出検査ではStageⅢbの明細胞腫瘍で、今後は化学療法を行ってから再発の有無を調べる目的の2回目の開腹手術(セカンドルック)を行う方針と説明されました。

また予後が不良であり、抗癌剤が効きにくい癌であるとの説明を受けております。

カンプト210mgとMMC10mgの抗癌剤を6回投与されましたが、提案された2回目の開腹手術(セカンドルック)は拒否し、

57歳の平成16年(2004年)2月から新免疫療法(NITC)を開始しました。

初診時の腫瘍マーカーのCa125は7.4U/mlと正常でしたが、ICTPが4.9 ng/ml(4.5以下が正常値)と高い値を示しておりました。

免疫能力はIFNγが24.5IU/ml、IL-12は18.1pg/mlといずれも良好で、2回目以降もそれぞれ22.1IU/mlそして69.9pg/mlと高い免疫能力を維持し続けております。(図1-2)

NKT細胞比率は9.6%(10%以上が活性化)、活性化NKT細胞比率は4.5%(4.3%以上が活性化)と低い値を示していましたが、治療開始から2ヶ月目以降は良好な値を維持しています。(図1-4)

ICTPは時に基準値の4.5ng/mlを超えることはあるものの、平成16年12月以降(治療開始から9ヶ月目)は基準値以下を推移しています。(図1-1)

平成17年6月(治療開始から15ヶ月目)からは、近隣の国立病院にて腫瘍マーカーの検査、エコー検査、CT検査、PET検査を行いながら当院と二人三脚で経過観察をしております。

平成19年10月のPET検査では、問題なしと診断され、12月現在(当院治療開始から3年10ヶ月目)のCa125も6.0U/mlと正常値を維持している報告を受けました。

卵巣の明細胞腫瘍は抗癌剤が効きにくく、予後が不良と言われておりますが、新免疫療法はこの悪性度の高い腫瘍に有用な治療の1つということが分かりつつあります。

今後も厳重な経過観察が必要と考えております。

明細胞腫瘍 症例 免疫検査および腫瘍マーカーの推移
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