患者様は昭和24年生まれの女性で、平成9年(1997年)5月に不正出血を訴え都内の総合病院の婦人科を受診したところ、子宮体癌と診断されました。 同年7月に子宮全摘付属器及びリンパ節隔清の手術を受けております。 その際、病理診断は子宮体癌Grade2、臨床進行期分類はIb期、リンパ節転移(-) でした。 平成10年3月より、化学療法(エンドキサンとシスプラチン)を7クール行い、CT画像検査で左骨盤内リンパ節転移が疑われ、8クール目を加えました。 6月よりタキソテールに変更し、8月よりパラプラチンを併用しました。11月からタキソール240mgとパラプラチン300mgを合計14クール行いました。 10月のMRI検査でリンパ節内に壊死巣様所見が認められ、増大傾向が認められないことから、
抗癌剤が有効であったのではないかとの主治医の診断が下されております。 患者様は52歳のとき、再発予防として新免疫療法を希望されて平成10年(1998年)12月から開始しております。 婦人科関連抗原のCEA、SCC、シフラ、Ca125、CA72-4、CA19-9いずれも正常値を示し唯一高値を示したのはSTNが59U/ml(正常値は45.0以下)のみでした。 一方、NKとNKT細胞は非活性の状態でした。 平成11年(1999年)3月に当院での初めて腹部超音波が行われて、左骨盤腔内に5.9×3.8×2.8cm大の充実性腫瘤が観察されています。(図2-1) 腫瘍マーカーのSTNは64U/mlでした。 同年6月に左骨盤腔内に51×39×30mm大となり、腫瘍内部の血流が減少しました。(図2-2) 腫瘍マーカーのSTNは67U/mlでした。 当院治療開始から22ヶ月目の平成12年(2000年)2月には左骨盤腔内の充実性腫瘤は5.5×4.0×3.1cm大と認められております。 平成13年(2001年)11月では、5.1×3.8×2.9cmで腫瘍の大きさに変化は無く、腫瘍内の血流に変化は認められませんでした。(図2-3) 腫瘍マーカーのSTNは87U/mlでした。 平成19年12月(2007年)ではSTNが100U/mlと上昇気味ですが、超音波検査では同位部に5.3×4.0×3.1cm大のほぼ同様の充実性腫瘤が認められ、拍動流はまばらで遅い状態でした。(図2-4) 平成20年12月(2008年)では、STNが210U/mlと上昇しましたが、超音波検査では同位部に5.7×4.0×3.0cm大で拍動流はまばらで遅く昨年と比べ著変なしと診断されました。 この超音波診断の結果を踏まえて、患者様と相談した結果、この日、当院の治療が卒業となりました。 ただし、腫瘍マーカーSTNが上昇傾向を示しているので、近医にて超音波検査でフォローアップし続けるようにお伝えしました。 この患者様は都内の病院で手術を受けましたが再発し、9ヶ月間の抗癌剤の治療で転移リンパ節の壊死様所見がMRIで確認されました。 一般に子宮体癌に抗癌剤は効きにくいのですがこの患者様には有効だったと推察されます。 その後、新免疫療法で10年間この状態が維持されているものと判断されます。 なお、平成26年1月に患者様からご連絡を頂きました。今年の夏ごろ来院し近況の報告をしたいとのことです。
患者様は昭和24年生まれの女性で、平成9年(1997年)5月に不正出血を訴え都内の総合病院の婦人科を受診したところ、子宮体癌と診断されました。
同年7月に子宮全摘付属器及びリンパ節隔清の手術を受けております。
その際、病理診断は子宮体癌Grade2、臨床進行期分類はIb期、リンパ節転移(-) でした。
平成10年3月より、化学療法(エンドキサンとシスプラチン)を7クール行い、CT画像検査で左骨盤内リンパ節転移が疑われ、8クール目を加えました。
6月よりタキソテールに変更し、8月よりパラプラチンを併用しました。11月からタキソール240mgとパラプラチン300mgを合計14クール行いました。
10月のMRI検査でリンパ節内に壊死巣様所見が認められ、増大傾向が認められないことから、
抗癌剤が有効であったのではないかとの主治医の診断が下されております。
患者様は52歳のとき、再発予防として新免疫療法を希望されて平成10年(1998年)12月から開始しております。
婦人科関連抗原のCEA、SCC、シフラ、Ca125、CA72-4、CA19-9いずれも正常値を示し唯一高値を示したのはSTNが59U/ml(正常値は45.0以下)のみでした。
一方、NKとNKT細胞は非活性の状態でした。
平成11年(1999年)3月に当院での初めて腹部超音波が行われて、左骨盤腔内に5.9×3.8×2.8cm大の充実性腫瘤が観察されています。(図2-1)
腫瘍マーカーのSTNは64U/mlでした。
同年6月に左骨盤腔内に51×39×30mm大となり、腫瘍内部の血流が減少しました。(図2-2)
腫瘍マーカーのSTNは67U/mlでした。
当院治療開始から22ヶ月目の平成12年(2000年)2月には左骨盤腔内の充実性腫瘤は5.5×4.0×3.1cm大と認められております。
平成13年(2001年)11月では、5.1×3.8×2.9cmで腫瘍の大きさに変化は無く、腫瘍内の血流に変化は認められませんでした。(図2-3)
腫瘍マーカーのSTNは87U/mlでした。
平成19年12月(2007年)ではSTNが100U/mlと上昇気味ですが、超音波検査では同位部に5.3×4.0×3.1cm大のほぼ同様の充実性腫瘤が認められ、拍動流はまばらで遅い状態でした。(図2-4)
平成20年12月(2008年)では、STNが210U/mlと上昇しましたが、超音波検査では同位部に5.7×4.0×3.0cm大で拍動流はまばらで遅く昨年と比べ著変なしと診断されました。
この超音波診断の結果を踏まえて、患者様と相談した結果、この日、当院の治療が卒業となりました。
ただし、腫瘍マーカーSTNが上昇傾向を示しているので、近医にて超音波検査でフォローアップし続けるようにお伝えしました。
この患者様は都内の病院で手術を受けましたが再発し、9ヶ月間の抗癌剤の治療で転移リンパ節の壊死様所見がMRIで確認されました。
一般に子宮体癌に抗癌剤は効きにくいのですがこの患者様には有効だったと推察されます。
その後、新免疫療法で10年間この状態が維持されているものと判断されます。
なお、平成26年1月に患者様からご連絡を頂きました。今年の夏ごろ来院し近況の報告をしたいとのことです。