【症例報告】 新免疫療法によるがん免疫療法

腎臓癌 術後再発 肺転移 当院治療5年1ヶ月経過

新免疫療法(NITC)単独

71才の男性で、税理士の仕事をされている方です。

患者様は、平成8年12月に右腎臓癌(明細胞癌)で、右腎臓摘出術を受けました。

手術後は特別の治療を受けていなかったのですが、平成11年3月に腎臓癌の肺転移が疑われて、5月よりIFNα療法を開始しました。

平成12年2月には肺転移が縮小ぎみで効果が認められておりました。

しかし、平成13年10月に肺転移が増大し、11月からIL-2療法に変更し1クール終了後、転移巣が増大したため3倍量に増やしましたが、副作用、特に糖尿病が悪化したため、翌年5月に中止となりました。

6月に、新免疫療法(NITC)を希望し紹介されて、当院に来院されました。

新免疫療法(NITC)単独での治療を開始しました。

平成14年6月の初診時の免疫能力検査では、Th1サイトカインのIFNγは47.2 IU/mlと高く、IL-12も69.7 pg/mlと高い活性が認められました。

NK細胞比率と活性化NK細胞比率は基準値を超えて強力であることが分かりましたが、NKT細胞に関しては細胞比率も活性化比率も低い値を示していました。

腎腫瘍のマーカーは、BFPとNSE以外には適切なマーカーはないのですが、この方のGATは15.4 U/ml(基準値13.6 U/ml未満)、ⅠCTPは5.2 ng/ml(基準値4.5 ng/ml未満)と、異常高値を示しています。

GATとⅠCTPは一時上昇する時期もありましたが、少しずつ低下傾向を示していました。

しかし、腫瘍は、新免疫療法(NITC)開始後2年半目の平成16年12月まで増大傾向を胸部X線やCTで示していましたが、

本人は日常の生活や仕事に差し支えがないので、この治療を続けたいとの強い希望で継続しておりました。

その頃より右肺の転移巣と左肺の病変の増大率は抑えられ始めました。

すなわち、2年6ヶ月後の平成16年12月、3年後の平成17年6月および3年9ヵ月後の平成18年3月の約1年3ヶ月間の胸部X線では腫瘍の増加が小さくなっています。

この患者様の場合は、Th1サイトカインは充分な活性があるので、今後はNK細胞系の活性がより必要なのかもしれません。

腎臓がん レントゲン写真の推移
腎臓がん 腫瘍マーカーの推移
腎臓がん 免疫検査の推移
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