【症例報告】 新免疫療法による がん免疫療法

肺腺癌 高齢のため手術・抗癌剤行なわず。 当院治療2年6ヶ月経過

イレッサ併用

分子標的治療剤のイレッサは白人よりも東洋人、喫煙者よりも非喫煙者に、男性よりも女性にそして扁平上皮癌よりも腺癌に有効性が高いことが分かっています。

EGFR(チロシンキナーゼ)遺伝子の変異と一致しております。
イレッサの効果はこの遺伝子変化がある患者様に有効であることが分かりつつあります。

今回ご紹介する患者様は大正13年生まれの男性で、喫煙暦はありません。

平成17年(2005年)9月区民検診の胸部レントゲンの検査で異常を指摘され11月より都内の大学病院で精密検査を受けました。

12月には気管支生検で右肺腺癌(肺癌)と診断され、PET/CT検査では右肺下葉に悪性腫瘍(S8からS6にかけて32×31mm)を認め、同側肺門部及び両側縦隔リンパ節転移が陽性でした。

2月のCT検査で肺腺癌(肺癌)は前回よりやや増大が示唆され、主治医からは高齢であることを考慮され手術よりは抗癌剤療法を薦められていました。

しかし、本人とご家族が新免疫療法(NITC)を選択されて平成18年(2006年)3月に来院され治療を開始しました。
患者様は81歳でした。

初診時の腫瘍マーカーは異常値を示すものが無く、免疫能力は、Th1サイトカインの活性が認められませんでした。

また、活性化NK細胞比率は3.8%(10%以上が活性化)、活性化NKT細胞比率2.4%(4.3%以上が活性化)とそれぞれ非活性でした。

新免疫療法開始後3ヶ月目の免疫力はTh1サイトカインのIFNγが15.8 IU/ml(10IU/ml以上が活性化)、IL-12が14.2pg/ml (7.8 pg/ml以上が活性化)と活性化が認められ、NK細胞はまだ非活性化でしたが、NKT細胞比率は10.0%と活性化し、活性化NKT細胞比率は4.2%(4.3%以上が活性化)と不足気味でした。
平成18年(2006年)9月末日(治療開始から6ヶ月目)のCT検査で、増大傾向を示したのでイレッサの隔日投与を開始しました。

イレッサ隔日投与3ヶ月目の平成18年(2006年)12月のCT検査で腫瘍径が9月に13.1mmから7.8mmまで縮小(40.5%)し、平成19年2月には更に7.1mm(9%)の縮小が得られています。

腫瘍マーカーは平成18年12月、CA19-9が48.7 U/ml平成19年1月に70.3 U/mlと上昇しましたが、それ以降は正常値に低下しましたので、平成19年(2007年)5月にイレッサ投与量を隔日から3日に1錠へ減量しました。

6月にCA19-9が再び46.8 U/mlと上昇、翌月の7月には40.8 U/mlと異常値を示しましたが、その後は12月現在、正常値を維持しております。

一方、イレッサ減量後の画像検査では平成19年12月までは不変を続けていました。

その後CEAは正常範囲内に入ったままですが、Ca19-9が平成20年4月に39.2 U/ml、5月に70.2 U/mlと増加してきたので、イレッサを隔日投与に増量しました。

その結果Ca19-9は63.5 U/mlと減少し、平成20年6月は30.7U/ml、9月は29.4U/mlと基準値以下を維持したのでこの投与量でしばらく経過を見たいと考えています。

平成20年4月のCT(図2-4)及び、5月のXPも平成19年12月(図2-3)と比較し大きな変化がないと判断されています。

イレッサの投与量は1日1錠と決まっているものではありません。
適した量(至適量)を探ることも大切だと考えています。

肺腺癌 CT検査画像の推移
肺腺癌 腫瘍マーカーの推移および免疫検査の推移
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