分子標的治療薬と新免疫療法の併用

分子標的治療薬との併用

分子標的治療剤(イレッサ)と一般の抗癌剤との違い

この両者には、細胞の分裂・増殖を抑える働きがありますが、抑える方法がそれぞれ違います。

細胞の中には核と呼ばれる遺伝子(DNA)が収められている図書館の様な場所があります。


この図書館にある本(ここでは遺伝子のことをさしています)から必要なレシピが選び出されて、そのレシピを基にたんぱく質が作られます。

では、体にとり必要なたんぱく質が合成されるときには、どのようなことが起こるのでしょうか。

細胞の内外には、情報ネットワークグループの情報員が情報を伝達しながら働いています。


彼らはそれぞれの持ち場で活動しながら、この「必要なたんぱく質を作るための情報」を伝達してゆき、最後にこの情報が図書館へ伝えられます 。

この情報に基づき必要なレシピが探し出され、たんぱく質が合成されるのです。


(ちなみに、ホルモンの働きも同じで、このように情報伝達がされることで必要なたんぱく質が合成され、この合成された たんぱく質により体の働きが調節されます。)

一般の抗がん剤は、この図書館に収められている本そのものを駄目にしてしまうことで、細胞の分裂・増殖を抑えます。 

一方イレッサは、この「必要なたんぱく質を作るための情報」が図書館へ伝達されるのを邪魔することで細胞の分裂・増殖を抑えます。

分子標的薬イレッサとの併用による相乗効果

イレッサと新免疫療法(NITC)を併用するとどのような効果が期待できるのでしょうか。

●分子標的治療剤(イレッサ)は、従来の抗がん剤とは異なり免疫細胞を攻撃しません。

従って、免疫細胞を活性化させる新免疫療法(NITC)と相性は良いと考えられます。


●カモフラジュ癌細胞のカモフラジュを取り払う働きがあります(仮説)。

つまり、がん細胞には、見るからに顔つきの悪いがん細胞と、見かけ上は正常な細胞の顔つきをしたカモフラジュがん細胞がありますが、イレッサを使うことで、このカモフラジュがん細胞がうっかり正体を現してしまい(がん抗原を提示する)、免疫細胞が攻撃をしかけやすくなります。

新免疫療法(NITC)とイレッサの併用は、このような理由で、効果が期待できるのです。

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